2012年5月21日月曜日

「 カラシ 」


バイト中、サッカーの話で盛り上がっていた。
わたしはサッカーのことを全然知らないので、
片付けをしながらただ聞いていた。

 どこどこで、サッカー選手を見たという話
 好きなチームの好きな選手の話
 日本の選手より外国の選手のファンだという話

 とても楽しそうで、盛り上がっていた。


わたしは野球もサッカーも相撲も
スポーツ全般に対してまじめに見たことがない。
家にテレビがないせいか今は全く興味もない。

でも、あーやって楽しそうに話をしているところを見ると、
共通の話題で盛り上がれるって幸せなことだなぁって思った。


わたしの好きなことと言ったら、くだらないことだ。
くだらないことにばかりには興味が湧く。


焼き鳥に添えられたカラシが、お客さんから帰ってきた時
少しも手をつけられない状態で、だいぶ時間も経っている様子で
カピカピになっていた。


隣にいた店長に、
「カラシのミイラ」と言ってみた。

店長は何とも言えない顔をしていた。




「もっとすごいの見たことあるぜ」とか

「これはー、推定3時間位かな」とか

「マヨネーズのミイラに遭遇できた日はラッキーだね」とか



そんな返しをされたらテンションが上がる。
きっと心臓がどきどきしちゃうくらいうれしくなると思う。

でも、そうやって盛り上がれることは
私の人生の中ではあまりなくて、結局自分の中で楽しんで終わる。


わたしは小さな世界の中で、
気に入ったものだけを取り入れて
それをずっと眺めながら楽しんで生きている。
子供のころからずっと、それを飽きずにくり返している気がする。



わたしには世の中に存在するもの全般に対して
人と比べて知識が足りないんだと思う。
それはいつも痛い程感じている。



でも、それでも楽しいことがたっくさんある。

今は暇だと思うことなんて1秒もないんです。


* * * * *

2 件のコメント: