2012年6月17日日曜日
「 カレー 」
きっと、
カレーが嫌いな人は、そうめったにいないと思う。
でもわたしは、カレーの日がうれしくない。
カレーにも色々あるので、カレー全てのことを言っているのではなく、
細かく言えば「うちのカレー」である。
ルーで作る、家のカレーである。
たぶん、昔からそうだったのではなく、
ある時期を境にそうなっていったのだと思う。
そのある時期とは、たぶん私が中学生くらいの時。
母は介護やそれをとりまく色々にとても忙しかった。
家をあけることが多くなり、そんな日はいつもカレーだった。
一週間のうち、三度はカレーだったと思う。いや、半分かもしれない。
始めは気づかないでいたけれど、あまりにもカレーの日が多過ぎて
気づかざるおえなくなってしまった。
しかしある日、母はアキレス腱を切り入院した。
食事はその頃浪人中だった一番上の姉が作ってくれた。
そのメニューは、やはりカレーだった。
でも、そのカレーはスープカレーのようにさらさらだった。
普段料理をしていなかった姉のカレーはルーが少し足りていなかったんだと思う。
少し水を入れ過ぎた、やわらかめのごはんに、
そのスープカレーをかけて食べた。
味はちょっとうすかったけど、
ケチもちょっとつけてしまったかもしれなかったけど
わたしはいつもと違うカレーがうれしかった。
そして美味しかった。
今アルバイト先で、
自分より若い子たちにまかないを作る役目になった。
一人分のごはんを作るのと四人分のごはんを作るのと
六人分のごはんを作るのとでは作る時間も献立を考える時間も簡単ではない。
カレーは短い時間で簡単にたくさんできる。
そして肉も野菜も入って身体にもいい。
うちは6人家族だったので、
忙しい母にとっては精一杯の策だったのだと思う。
母はわたしたちに外食をさせなかった。
カップラーメンも食べさせなかった。
いつも手作りのカレーを食べさせてくれた。
そのことに、やっと感謝できるようになった。
ありがとう
* * * * *
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