2012年12月11日火曜日

「 ういちん 」


私が高校生の時、バイト先にういちんという友達がいた。
その時の自分よりも、10才くらい年上のお姉さんだった。

いつもジーパンとトレーナーを着ていて、
車でバイト先に来ていた。


そのバイト先は、わたしの初めての勤め先だった。
全く仕事ができないわたしにういちんはとても冷たかった。
ういちんはとても恐く、なかなか仲良くなれなかった。
よく怒られたし、ういちんの笑顔を見たこともなかった。

でも、なんでかは忘れちゃったけど、
いつの間にか仲良くなっていた。

そのバイト先を、
わたしは高校3年の真ん中くらいで辞めたけど
ういちんとは、辞めてからも時々会って遊んでいた。
夜ガストに行ってハンバーグセットを食べたり
チョコレートパフェを食べたり、
ドライブに連れて行ってもらって真っ暗な夜の海にいったり
夜中のジョナサンにいったり、家に泊めてもらったり。
車の中では電気グルーヴが流れてて
わたしはよく分からずに へー という感じで聞いていた。
ういちんは、ホットコーヒーに砂糖を入れる時
スティック状のお砂糖の真ん中をポキッと折って入れていた。




わたしが高校を卒業して、1年間ふらふらしていて、
その後専門学校に入ってから、全く遊ばなくなった。
連絡もめったに取らなくなり、唯一やりとりは年賀状だけだった。

 
ある日、
昔のバイト先の同い年の子からメールがきた。

そのメールの内容は、
ういちんの訃報だった。

ちょうど今のわたしくらいの年齢で、
ういちんは天国に行ってしまった。




現在のバイト先に、高校生のまゆみちゃんという子がいて
その頃の自分とういちんを重ねてしまう。
まゆみちゃんのことがかわいくてしかたないんだけど、
ういちんもわたしのこときっとかわいがってくれてたんだろな。と思う。


いつか天国に行ったら、ういちんとまた遊びたいと思う!
そして天国にもきっとガストがあると思うので、
そこでエビフライ付きのハンバーグセットを一緒に食べたい。
あと、私の描いた漫画を読んでもらいたい!
あと、電気グルーヴの話もしたい。





ふと、そんなことを思った夜でした。





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