2013年2月4日月曜日

「 びしょぬれのバスマット 」


会社勤めをしていた時のこと。

朝お天気が良かったので、お風呂のマットを外に干して出たら
どしゃぶりの夕立が来て、マットがびしょびしょになってしまったことがあった。

雨で濡れてしまったマットは重く、気持ちまで重くせつなくなった。


私は落ち込んだまま、気を紛らわせようとコンビニへアイスを買いに出かけた。

コンビニまでは歩いて5分。
その途中には、古いアパートが並んでいる。
そのうちの一軒のアパート一階に布団が干してあるのが見える。

まさか?と思った。

その布団はびしょびしょだった。
雨の重さでデローンとしてしまっていた。


その布団の持ち主が受ける精神的ダメージを考えたら、
自分のマットなんて、屁のレベルだと思えた。


コンビニへ行き、アイスを買って食べながら、またその布団を見た。
私は「かわいそう」と思いながらも、顔は笑っていた。



今でも、たびたびこの濡れた布団は心の中に登場する。

あの濡れた布団と比べればどぉってことない。


どぉってことない。



* * * * *

0 件のコメント:

コメントを投稿