2013年4月1日月曜日

「 ネリケシ 」


小学生の頃、クラスでネリケシが流行っていた。
ビヨーンてのびる消しゴムのこと。

昔は駄菓子屋さんとか文房具屋さんで売っていて
色付きとか匂いつきとかがあった。

先生が、「ネリケシを持ってきちゃいけません」
と注意するくらいネリケシが流行っていた。


うちは、お小遣いのない家だったので、
私はネリケシを自分で作った。


でも小学校では、ネリケシを持ってきちゃいけないって言われて
何だかいけないことのような気がしていたので、
親にバレないようにこっそり隠しながら作った。


作り方は簡単!消しゴムのカスを集めて入れ物にいれ、
水のりを足して、混ぜて乾かせば出来上がり。
これでネリケシの完成!
だと思っていたのだけど、仕上がりはイメージと違った。
もめば伸びると思ったので一生懸命もんでみた。
でも、消しゴムのカスとノリは混ざり合ってはくれなかった。

わたしの作ったネリケシは、
綺麗な色や、いい匂いのするものではなく
消しゴムのカスを水のりで固めただけの、ただのゴミでしかなかった。

その時のショックと言ったら、もう。



大人になってからも、よくこんなことを言われる。
「考えればわかるでしょ?」でも私はなぜかわからない。
やらなくても分かる人はすごい。なんで分かるんだろうと思う。

勉強してこなかったからわからないのかな。
経験かな?知識かな?どんだけ自分は足りていないのかな。


でもこれは、暗い話がしたかったのではなく、

子供の頃の私。

消しゴムのカスを集め、のりを流し込んでいるときの顔は
自信と希望に満ち輝いていたに違いない。
誰がなんと言おうと、自分は出来ると信じている。
結果なんて分からないよ。私はやってみないと分かんない。

分かんないからやっているのかも。
そっか、分かんないんだ。

わたし、よくわかってないからやれるんだ。
なんて良い頭なんだろう。


ラッキー


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