2014年2月19日水曜日

「 オレンジの靴下 」


今日はとても寒い。

昨日干した洗濯物が、
朝まだ乾いていなかった。

洗濯物は今日も干し、
夕方に取り込んだ。

そろそろ畳もうかとした時のことだった。

左の端から、パンツやシャツやタオルを取り外していくと
一番右の端っこに、オレンジ色の靴下がぶら下がっていた。

その靴下を見て私は、はっとした。


靴下の片方が内側に丸まったまま干されていたのだ。

この洗濯物達を洗ったのも干したのも、私。
なぜ、干すタイミングで気づかなかったのだろう。

これまで、シャツの袖を同じ状態で干してしまったことは
何度もあったけど、その時はどうとも感じなかった。


なぜかこのオレンジの靴下には、自分のずぼらな性格を恥り、
申し訳ないという気持ちが湧いてきた。

一振りすればいいだけの簡単なことなのに。
どうして私はそれを怠ったのか。
よそ見でもしながら洗濯物を干したのか。


オレンジの靴下の模様は、お家とチューリップだ。
お店で見つけて可愛いなぁと思って買った、お気に入りの靴下。


あぁ。これかもしれない。


自分が大事にしているものに対して、
人は素直になれるのかもしれない。


オレンジの靴下には心から謝れる。

「ごめん、もうしない。」




靴下の丸まった部分は乾いていた。
それが余計に自分のずぼらな精神を突ついた。


* * * * *

0 件のコメント:

コメントを投稿