もう、ラーメンライスを頼むことはないのかもしれない。
今はラーメン一杯でお腹が膨れてしまう。
ラーメンライスデビューをしたのは、二十代前半だった。
残業の多い仕事だったので、夜食でそれを食べていた。
ラーメンライスはお好み焼きライスやグラタンライスに比べメジャーだ。
これらはやった人にしか分からないハーモニーがあるのだと思う。
ラーメンライスに手を出すまで、
ラーメンとごはんを一緒に食べている人は食いしん坊で
ラーメンだけでは物足りないんだと思っていた。
でも、実際はそうではなかった。
ラーメンライスの魅力は、ラーメンを白いご飯にのっけて食べるわけでもなく、
ラーメンを食べた後に食べる白いご飯はただの白米なのに美味しい。
スープを飲んだ後に白いご飯を食べる。それも同じく美味しい。
餃子がなくても成り立つ組み合わせだった。
今はもう、ラーメンライスを長い事やっていないので、
過去の思い出の味となってしまった。
今食べてみても、あの美味しさを感じられるのか分からない。
美味しいと感じるにはタイミングも必要だから。
でも、もしかすると、ラーメンライスが食べられない理由は、
お腹が膨れてしまうからではないのかもしれない…
あの頃夜食で食べたラーメンライスは、
いっぱい食べて体力をつけて仕事をがんばろうと思ったからだった。
一人ラーメン屋に入り、気合いを入れて注文した記憶がある。
今、美味しい記憶として残っているということは、
あの味があの時がんばった自分へのご褒美だったからなのかもしれない。
ふと、そんなことを考えながら
今夜の味噌ラーメンの仕込みをする。
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