2014年6月14日土曜日

「 うな重 」


今日は暑い一日だった。

こんな日は、外でただ突っ立っているだけでも普段の倍疲れる。
少し遅いお昼に、うな重をごちそうになってしまった。

私はここ数年でうなぎの美味しさを知った。
それまでは、うなぎが食べたくなることも
うなぎを美味しいと思うこともなかったのだ。



うなぎと言えば、
子供の頃おばあちゃんの家に親戚一同が集まる時は
おばあちゃんが出前でうなぎをとってくれた。

親たちは「ほら、うなぎだよ〜!」と
嬉しそうに重箱を配っていたけど、うなぎが好きではなかった私は
たいていうなぎの半分は親か誰かにあげてタレごはんを食べていた。



今日、疲れた身体でうなぎを食べながら思ったことがあった。


あの時食べたうなぎは、親達のためだったんだと。


それは、大人達がうなぎを食べたくて
自分たちの為に頼んでいるという意味ではなく
おばあちゃんが親達にごちそうしてやろう
という気持ちを込めてのうな重だったんだ、と。


おばあちゃんちに親戚が集まるときは、
孫と親達を合わせて総勢15名以上はいつも集まっていた。
大人になって、うなぎの値段を知って初めて分かるけど、
その全員にうなぎを振る舞うというのは相当な出費だったに違いない。


それでも、親達の疲れた身体にうなぎでスタミナをつけさせようと、
おばあちゃんは奮発してくれていたのではないか。だから毎回うなぎだった。

そういうことだったんじゃないかと思った。


もしそうでなかったとしても、子供が食べるうな重の味と
日々疲れ消耗している大人たちが食べるうな重の味は格段に違ったはずだ。


うな重の美味しさを知り、自分もあの時の親の年に
少しづつ近づいているのだと、じわじわ実感している。




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