お皿を洗いながら歌をうたっていた
ブルーハーツの「泣かないで恋人よ」を
この歌にはいつも一行目の歌詞から励まされる
わたしはなかなか音楽に興味が沸かなかった
周りの友達は、大体高校生くらいで
好きなアーティストとかができていたけど
私は病んでいてそれどころではなかった
そんな私が二十歳の頃
ブルーハーツを知り
ガツンと一気に胸をつかまれた
時はさかのぼり、小学校低学年の時だった
「こういう穴があいたズボンどう思う?」と母が言った
「針で縫えばいいのにね」と私
テレビか新聞か雑誌かなにかを母に見せられそう聞かれた
その時目に映ったものは、
ビリビリのジーパンを履いた汚らしい男達だった
今思えばそれがブルーハーツで
そのころ彼らはよく世間を騒がせていた
私は物事の善し悪しを知るのがとても遅い
そんな自分を残念に思うことが多々ある
でも、この歌をうたうと励まされる
残念に思っている時間がもったいないと
もう一度、あの時に戻ってみよう
「こういう穴があいたズボンどう思う?」と母
「履いてみないと分かんないな」と私
遅すぎる事なんて 本当は
一つもありはしないのだ
ビリビリのジーパンがビリビリでなかったら
ブルーハーツの歌はここまで届かなかったのかもしれない
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