子供の頃の話。
夕飯がハンバーグの日、
私は年の近い姉とナイフとフォークを使って
オフランスと言いながらハンバーグを食べた。
誰に教わったのかは覚えていないけど、
ご飯はフォークの背にのせて
難しいねって言いながら食べたのを覚えている。
全然切れないナイフだったけど、
充分オフランス気分を味わせてくれた。
オフランス
あの頃、
オをつけることが上品だと思っていた。
そしてオをつけると、フランスのことを知らなくても
それっぽく聞こえる気がした。
ハンバーグがフランスの料理かは分からない。
ナイフとフォークでオフランスしたかったのは、
ハンバーグを大事に食べたかったのだと思う。
子供の頃のハンバーグは特別だった。
私はちゃんとしたナイフとフォークを使うフランス料理を食べたことがない。
だから、私の中でのオフランスの記憶は、
あの時食べたハンバーグのまま残っている。
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